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ANAカードの10マイルと5マイルはどっちが得?手数料と損益分岐で選ぶ

ANAカードを手にした際、多くの人が最初に直面する悩みが「anaカード 10マイルコース 5マイルコース どっち」を選ぶべきかという問題です。この選択ひとつで、将来手にする特典航空券への距離が劇的に変わるため、適当に決めるわけにはいきません。本記事では、両コースの仕組みから損益分岐点、さらに賢くマイルを貯めるための本質的な考え方を詳しく解説します。この記事を読み終える頃には、あなたにとって最適なマイル獲得スタイルが明確に見えているはずです。

目次

ANAカードの10マイルと5マイルはどっちが良いか

1ポイントから換算する比率

ANAカードを利用すると、まずカード会社独自のポイントが貯まります。例えば三井住友カードが発行するANAカードであれば「Vポイント」が貯まりますが、この1ポイントを何マイルに換算するかがコースの核心です。5マイルコースであれば「1ポイント=5マイル」の計算になりますが、10マイルコースでは「1ポイント=10マイル」とはじき出されます。単純に計算しても、手に入るマイルの量は2倍の差が開くことになります。

実は、この「1ポイント」の価値をどのように捉えるかが非常に重要です。日常の買い物で1,000円支払った際に付与されるポイントが、5マイルになるのか10マイルになるのか。たった5マイルの差だと感じるかもしれませんが、これが積み重なると数千、数万マイルという大きな差に膨れ上がります。例えば、100万円の買い物をした場合、5,000マイルと10,000マイルの差になります。片や国内線の片道航空券に届きそうな勢いですが、もう一方はその半分に留まるのです。

この換算比率は、マイルの世界における「加速装置」のようなものです。どちらが良いかを判断する第一歩は、自分がどの程度のスピード感でマイルを貯めたいのかを自問自答することにあります。10マイルコースは、まさに倍速でゴールを目指すための強力なエンジンといえるでしょう。一方で、5マイルコースは自分のペースでゆっくりと歩みを進めるスタイルに適しています。この比率の違いが、すべての損得勘定の出発点となっているのです。

移行時に支払う手数料の正体

10マイルコースを選択する際に、どうしても避けて通れないのが「移行手数料」という存在です。5マイルコースは基本的に無料でマイルへ交換できますが、10マイルコースを利用するには、一般カードやワイドカードの場合、年間5,500円(税込)程度の手数料を支払う必要があります。多くの人が「どっちにしよう」と迷う最大の理由は、この追加コストにあります。年会費とは別に数千円を支払う価値があるのか、慎重に考える必要がありますよね。

この手数料は、いわば「マイルを安く買うための権利金」のようなものです。本来、1マイルを現金で購入しようとすると数円の価値があるとされていますが、手数料を払うことで、通常よりも高いレートで効率的にマイルを手に入れることが可能になります。逆に言えば、この5,500円を支払っても、それ以上の価値があるマイルを獲得できなければ、5マイルコースの方が合理的であるという結論に至ります。実は、この手数料設定が絶妙なハードルになっているのです。

また、この手数料は「毎年必ずかかるもの」と「マイルを移行する年だけかかるもの」の2パターンがあることも覚えておきたいポイントです。手動移行(応募方式)を選べば、ポイントを数年間貯め込んでおき、マイルが必要な年にまとめて交換することで、手数料の支払回数を減らすというテクニックも存在します。手数料の正体を正しく理解することで、ただ「高い」と敬遠するのではなく、コストパフォーマンスを最大化する戦略を立てられるようになります。

コースごとに異なる還元率

マイル還元率とは、利用金額に対して何パーセント相当のマイルが戻ってくるかを示す指標です。5マイルコースの場合、一般的な還元率は0.5%となります。1,000円の買い物で5マイルが貯まる計算ですね。これに対して10マイルコースは1.0%という高い還元率を誇ります。1,000円で10マイル。この「1.0%」という数字は、陸マイラー(飛行機に乗らずにマイルを貯める人)にとって一つの聖域とも言える基準です。

世の中には多くのクレジットカードが存在しますが、日常の買い物で常に1.0%以上のマイル還元を実現できるカードはそれほど多くありません。ANAカードの10マイルコースは、その基準をクリアするための最もスタンダードな手段なのです。例えば、毎月の生活費や公共料金、通信費などをすべてカード払いに集約している場合、この0.5%の差は無視できないほど大きな影響を及ぼします。年間200万円の決済があれば、1万マイルもの差が生まれるからです。

還元率が高いということは、それだけ「無料航空券」という果実を手に取るまでの期間が短くなることを意味します。0.5%の還元率では、ハワイへの往復航空券を手に入れるために必要なマイルを貯めるのに、気の遠くなるような決済額が必要になるかもしれません。しかし、1.0%であればその必要額は半分になります。コースごとの還元率を比較することは、単なる数字の遊びではなく、自分の夢(旅行)までのタイムスケジュールを組む作業そのものなのです。

対象となるANAカードの種類

すべてのANAカードで、自由に10マイルコースと5マイルコースを選べるわけではありません。実は、カードのグレードによって最初からコースが固定されていたり、手数料が無料になっていたりするケースがあります。一般カードやワイドカードをお持ちの方は、前述の通り手数料を支払って10マイルコースへアップグレードするかどうかを選択することになります。しかし、ANAワイドゴールドカード以上のグレードになると話は変わります。

ゴールドカードやプラチナカードの場合、最初から「10マイル相当(またはそれ以上)」の換算レートが適用される仕組みになっており、しかも追加の移行手数料はかかりません。これはゴールドカードの高い年会費の中に、すでにマイル移行手数料が含まれているという考え方もできます。そのため、もしあなたが一般カードで移行手数料を払って10マイルコースを使い続けるつもりなら、いっそのことゴールドカードに切り替えたほうが、付帯サービスの充実度も含めてお得になる可能性が高いのです。

また、学生専用の「ANAカード〈学生用〉」のように、在学中は10マイルコースの手数料が無料になるという特別な優遇措置が用意されているカードもあります。自分が今どのカードを持っていて、どのカードを目指しているのかによって、コース選びの最適解は変わってきます。カードの種類とコースの関係性を把握することは、無駄な出費を抑えつつ、効率よくマイルを積み上げるための第一歩と言えるでしょう。

移行コースの仕組みとマイルが加算される原理

クレジットカード決済の仕組み

クレジットカードで買い物をすると、なぜマイルやポイントがもらえるのでしょうか。その裏側には、決済ネットワークという精巧な仕組みが存在します。あなたがお店でカードを提示すると、お店はカード会社に対して「決済手数料」を支払います。カード会社はその手数料収入の一部を原資として、利用者にポイントという形で還元を行っているのです。この循環があるからこそ、私たちは現金で払うよりもお得に買い物ができるわけですね。

ANAカードの場合、このポイント還元の出口が「ANAマイル」に特化している点が特徴です。カード決済が行われるたびに、カード会社のシステム内では、利用金額に応じたポイント計算が即座に行われています。この時点ではまだ「マイル」ではありません。あくまでカード会社が管理する「ポイント」として蓄積されています。このポイントをANAのマイレージプログラムへ橋渡しする役割を担っているのが、他ならぬ10マイルコースや5マイルコースという設定なのです。

例えば、スーパーでの買い物やコンビニでの支払い、あるいはネットショッピング。どんな小さな決済であっても、この仕組みは休むことなく動き続けています。私たちは普段、意識することなくカードをかざしていますが、その裏では決済手数料の一部が着々とマイルの種(ポイント)へと変換されているのです。この原理を理解すると、現金払いが少しもったいなく感じてきませんか? 決済という日常の行為を、マイルという価値に変える錬金術のような仕組み。それがANAカードの基本構造なのです。

ポイントがマイルに変わる工程

カード会社に貯まったポイントがANAマイルへと姿を変える工程には、大きく分けて「自動移行」と「手動移行」の2つのルートがあります。自動移行を選んでいる場合は、毎月の決済で獲得したポイントが、一定のサイクルで自動的にANAのマイル口座へと転送されます。このとき、あらかじめ設定しておいた「10マイルコース」か「5マイルコース」のレートに基づいて、マイル数が算出される仕組みになっています。

一方、手動移行(応募方式)の場合は、一度カード会社のポイントとしてじっくり貯めておき、自分の好きなタイミングで「マイルに変えてください」と申請を出します。この工程を挟むことで、ポイントの有効期限とマイルの有効期限を「二階建て」で活用できるという隠れたメリットが生まれます。どちらのルートを選んでも、1ポイントが何マイルになるのかを決定づけるのは、あなたが選択したコース設定に他なりません。

実は、ポイントからマイルへ変わる瞬間というのは、非常に厳格なデータ連携が行われています。カード会社とANAの間で、会員番号が照合され、間違いなく本人の口座にマイルが届くようになっているのです。この工程で発生する事務的なコストやシステム維持費が、10マイルコースにおける「移行手数料」の根拠の一つにもなっています。ポイントがマイルへと「脱皮」するこの瞬間こそが、私たちの努力(決済)が報われる最高に嬉しい瞬間と言えるでしょう。

自動移行と手動移行の選択肢

コース選びと並んで重要なのが、マイルを「いつ」移すかという選択です。自動移行方式は、とにかく手間がかからないのが最大の魅力です。一度設定してしまえば、あとは毎月勝手にマイルが増えていきます。ポイントを交換し忘れて失効させてしまうリスクもありません。マイルを常に新鮮な状態で積み上げていきたい方や、面倒な手続きを極力避けたい忙しい方には、間違いなくこちらがおすすめです。

それに対して手動移行(応募方式)は、戦略的にマイルを貯めたい人向けの玄人好みな選択肢です。この方式の最大のメリットは、前述の通り「移行手数料の節約」にあります。例えば、2年分のポイントをカード会社側に貯めておき、3年目にまとめて10マイルコースで移行すれば、手数料の支払いは1回分(5,500円)だけで済みます。実質的な年間コストを半分以下に抑えることができるのです。ただし、自分で交換手続きを忘れないように管理する几帳面さが求められます。

どちらの選択肢が優れているかという答えはありません。自分の性格や、どれだけ管理に時間を割けるかによって決めるのが正解です。「マイルを貯めること自体を楽しめる」なら手動移行でコストを浮かせ、「忘れた頃にマイルが貯まっているサプライズを楽しみたい」なら自動移行を選ぶのが良いでしょう。移行の仕組みを自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズできる点も、ANAカードの奥深い楽しみの一つと言えますね。

年度ごとの更新と有効期限

マイルを貯める上で、避けては通れないのが「有効期限」というルールです。ANAマイルの有効期限は、積算された月から数えて36カ月後の末日までとなっています。つまり、約3年間です。自動移行を選んでいる場合、毎月マイルが加算されるたびに、それぞれのマイルが3年間のカウントダウンを始めます。3年以内に使い切らないと、せっかく貯めたマイルも消滅してしまうという、非常にシビアなルールです。

ここで重要になるのが、10マイルコースの有効期間です。多くのカードでは、年度(4月から翌3月までなど)を単位としてコースの更新が行われます。一度10マイルコースに登録すると、解約の手続きをしない限り自動的に継続され、毎年手数料が発生するのが一般的です。もし「今年はあまりカードを使わないな」と思ったら、あらかじめ5マイルコースに変更しておくなどの管理が必要になります。この「年度」という区切りを意識しておくことが、無駄な手数料支払いを防ぐコツです。

また、手動移行をうまく使えば、ポイントとしての有効期限(通常2年前後)と、マイルとしての有効期限(3年)を合算して、実質的に5年近い長期保存が可能になります。これにより、長距離路線のビジネスクラスなど、大量のマイルが必要な目標にも手が届きやすくなります。期限という制約を正しく理解し、自分の目標とする旅先までに必要な時間を逆算すること。これこそが、賢いマイラーとしての「時間管理術」なのです。

上位コースを選ぶメリットと得られる大きな効果

特典航空券までのスピードアップ

10マイルコースを選ぶ最大のメリットは、何と言っても「特典航空券を手にするまでの圧倒的なスピード」です。5マイルコースと比較して、同じ金額を使っても2倍のマイルが貯まるわけですから、ゴールまでの距離が半分に短縮されるのと同義です。例えば、東京〜沖縄の往復に必要なマイルが15,000マイルだとすると、5マイルコースでは300万円の決済が必要ですが、10マイルコースなら150万円で済みます。

この「2倍のスピード」は、心理的にも大きな影響を与えます。なかなか貯まらないマイルを眺めていると、途中で挫折して「もう現金で航空券を買えばいいや」と思ってしまいがちです。しかし、目に見えてマイルが増えていく10マイルコースなら、モチベーションを高く維持し続けることができます。毎月の利用明細を見るのが楽しみになり、次の旅行の計画を立てるワクワク感が途切れることがありません。まさに、マイル獲得の「高速道路」に乗っているような感覚です。

また、マイルが早く貯まるということは、それだけ「人気の便」を予約しやすくなるということでもあります。特典航空券は座席数に限りがあるため、早い者勝ちの側面があります。必要なマイルが早く貯まれば、予約開始と同時に申し込むことができ、希望のスケジュールで旅行に行ける確率がグンと上がります。スピードは単なる速さだけでなく、旅行の「質」をも高めてくれる重要な要素なのです。

高額決済における高い還元効率

家賃の支払いや光熱費、さらには税金の支払いなど、生活の基盤となる大きな出費をANAカードに集約している場合、10マイルコースの還元効率は凄まじい威力を発揮します。年間で200万円、300万円と決済する方にとって、0.5%の差はもはや微々たるものではありません。300万円の利用であれば、5マイルコースなら1.5万マイルですが、10マイルコースなら3万マイル。この1.5万マイルの差は、国内往復航空券1回分に相当します。

さらに、ビジネスでカードを利用している個人事業主の方などは、決済額がさらに大きくなることもあるでしょう。高額決済を行えば行うほど、移行手数料の5,500円というコストは、相対的に小さなものへと薄まっていきます。1万マイルを5,500円で「買った」と考えると、1マイルあたりわずか0.55円です。マイルの価値は通常1円〜数円と言われていますから、これほど効率の良い投資はなかなかありません。決済額が多い人ほど、10マイルコースを選ばない理由はなくなるのです。

実は、賢い人は「還元率」という数字の裏にある「実質的な価値」を常に計算しています。高額決済を予定している大きな買い物の前(例えば家電の買い替えや結婚式など)に、10マイルコースへの切り替えを検討するのも一つの賢い戦略です。自分の決済能力というリソースを最大限に活用し、最も効率よくマイルという資産を増やす。この合理的な判断こそが、上位コースを選ぶ醍醐味と言えるでしょう。

ポイント管理の手間を省く方法

10マイルコースを「自動移行方式」で運用することは、究極のポイント管理術でもあります。現代人は忙しく、複数のポイントカードやクレジットカードの有効期限をいちいちチェックしている余裕はありません。5マイルコースでちまちまとポイントを貯め、交換時期を伺っている間に、うっかりポイントを失効させてしまった……。そんな悲劇を防いでくれるのが、10マイルコースによる自動的なマイル積算です。

自動移行に設定しておけば、ポイントという中間形態を意識することなく、ダイレクトにANAマイルを積み上げることができます。管理すべき対象が「ANAマイレージクラブ」一つに絞られるため、思考の整理も非常に楽になります。ANAのアプリを開けば、いつでも最新のマイル残高が確認でき、次の旅までの距離が一目でわかります。この「管理コストの低減」は、目に見えない大きなメリットの一つです。

また、10マイルコースという「有料の仕組み」に身を置くことで、自分の中に「マイルを貯める」という明確なコミットメント(決意)が生まれます。手数料を払っているのだから、しっかりカードを使ってマイルを貯めよう、という前向きな意識付けになります。手間を省きつつ、マイル獲得に対する意識を高める。このバランスが取れている人ほど、結果として多くのマイルを手にし、自由な旅を楽しんでいる傾向にあります。

長距離フライトへの近道

いつかは憧れのビジネスクラスでヨーロッパやアメリカへ行きたい。そんな夢を持っているなら、10マイルコースはもはや必須の選択肢と言っても過言ではありません。長距離路線のビジネスクラスやファーストクラスに必要なマイル数は膨大です。5マイルコースの還元率では、到達するまでに何年もかかってしまい、その間にマイルが失効し始めるという「イタチごっこ」になりかねません。

長距離フライトを目指す場合、いかに短期間で大量のマイルをかき集めるかが勝負の分かれ目となります。10マイルコースの1.0%還元は、その高い壁を乗り越えるための最短ルートを提供してくれます。また、マイルの価値は「1マイル=1円」ではありません。特に国際線のビジネスクラスなどに利用した場合、1マイルの価値は5円、10円と跳ね上がることがあります。そうなると、10マイルコースで得られる利益は、手数料の数千円を遥かに凌駕します。

空の上の贅沢な空間は、決して手の届かない夢ではありません。正しいコースを選び、日々の支払いを賢く集約する。その積み重ねの先に、シャンパングラスを傾ける優雅なフライトが待っています。長距離フライトという大きな目標があるからこそ、あえて上位コースという投資を行う。その決断が、あなたの旅行体験を一段上のステージへと引き上げてくれるはずです。近道があるなら、それを使わない手はありませんよね。

項目名具体的な説明・値
マイル換算レート10マイルコース:1pt=10マイル / 5マイルコース:1pt=5マイル
年間移行手数料10マイル:約5,500円(税込) / 5マイル:無料(一般カード等)
マイル還元率10マイル:1.0% / 5マイル:0.5%(基本決済時)
損益分岐点(目安)年間決済額 約60万円以上なら10マイルコースがお得
おすすめの対象者10マイル:旅行好き・高額決済者 / 5マイル:維持費を抑えたい方

知っておくべき注意点とコスト面でのデメリット

移行手数料による実質的な出費

10マイルコースを選択する上で、最も現実的なハードルとなるのが年間約5,500円の手数料です。この金額は、格安航空券(LCC)であれば片道の航空券が買えてしまうかもしれない額です。「マイルを貯めるためのコスト」として、これをどう評価するかが鍵となります。もし、あまりクレジットカードを使わない人であれば、この手数料は単なる「持ち出し」になってしまい、マイルを貯めるメリットを打ち消してしまいます。

また、この手数料はANAカードの年会費とは「別」に発生するという点にも注意が必要です。例えば一般カードの年会費が2,200円であれば、合計で年間7,700円の維持費がかかることになります。これを高いと感じるか、安いと感じるかは、個々のマイル活用状況によります。毎年、当たり前のように引き落とされるコストだからこそ、その出費に見合うだけのマイルを本当に獲得できているか、定期的に見直す姿勢が大切です。

実は、手数料の存在を忘れていて、数年間放置してしまったという失敗談も少なくありません。マイルを貯める意欲が低下している時期や、他のカードをメインで使い始めた時期などは、コースの設定をそのままにしておくと非常にもったいないことになります。コストが発生するということは、それ相応の「運用」が求められるということです。10マイルコースは、いわば「有料の会員制サービス」に加入しているのだという自覚を持つことが、賢い選択への第一歩です。

決済額が少ない場合の損益分岐

「10マイルコースと5マイルコース、どっちが得か」という問いには、明確な数学的答えが存在します。それは「年間決済額がいくらか」という点に集約されます。一般的に、その損益分岐点は「年間約60万円」と言われています。なぜ60万円なのか。それは、60万円の決済で得られる5マイルと10マイルの差(3,000マイル)が、移行手数料5,500円を払ってでも手に入れる価値があるマイル数の目安だからです。

もし年間の決済額が20万円程度であれば、得られるマイルの差はわずか1,000マイル。1,000マイルを5,500円で買うのは、さすがに割高ですよね。これなら5マイルコースで無料で貯めておいたほうが、精神的にもお財布的にも健全です。逆に、毎月10万円、年間120万円以上使うという方であれば、損益分岐点を余裕で超えています。迷わず10マイルコースを選び、高還元率の恩恵をフルに受けるべきです。

自分の過去1年間のカード利用明細を振り返ってみてください。平均して月にいくら使っていますか? コンビニのコーヒーから大きな買い物まで、すべてをANAカードに集約したとして、年間60万円(月5万円)を超えそうでしょうか。このシンプルな計算を行うだけで、あなたにとっての「どっち」は自動的に導き出されます。数字は嘘をつきません。感情ではなく、自分の実績に基づいて判断するのが、最も失敗の少ない方法です。

コース変更が反映されるタイミング

「明日大きな買い物をするから、今日10マイルコースに変更しよう!」と思っても、実は即座に反映されない場合があるため注意が必要です。コースの変更手続きは、オンラインや郵送で行うことができますが、カード会社のシステム内で処理が完了するまでに数日から数週間のタイムラグが生じることがあります。特に自動移行を設定している場合、移行タイミングを跨いでしまうと、前回の古いレートでマイルが送られてしまうこともあります。

また、一度10マイルコースに申し込むと、その年度の手数料が確定してしまいます。「やっぱり今月は5マイルでよかった」と後から取り消すことは難しいため、変更の判断は慎重に行う必要があります。逆に、手動移行(応募方式)であれば、ポイントが貯まりきった時点でコースを切り替え、移行手続きを行い、その後にまたコースを戻す……という緻密なスケジュール管理も可能ですが、これも手続きの反映時間を考慮した計画性が求められます。

実は、この「タイミング」の把握ミスで損をしてしまう人が意外と多いのです。コース変更は、引っ越しや転職と同じように、余裕を持って行うのが鉄則です。特に年度末やポイントの有効期限が迫っている時期は、手続きが混み合うこともあります。自分がいつポイントをマイルに変えたいのか。その目標の日から逆算して、少なくとも1カ月前にはコース設定を確認し、必要であれば変更を済ませておく。この心の余裕が、マイル獲得をスムーズにします。

ポイント有効期限に関する誤解

最後に注意したいのが、ポイントとマイルの有効期限の「混同」です。5マイルコースでじっくり貯めようとしている方の多くが、カード会社のポイントには有効期限がないと誤解しがちです。しかし、多くのANAカードにおいて、付与されるポイントの有効期限は獲得から2年間程度。一方、マイルに交換した後の有効期限は3年間です。この2つの期限を別々に管理しなければならない点が、意外な落とし穴になります。

例えば、5マイルコースでポイントを数年間放置してしまい、気づいたときには初期に獲得したポイントが失効していた……というケースは枚挙にいとまがありません。また、10マイルコースの「自動移行」にしている場合、ポイントの期限を気にする必要はありませんが、今度はマイルの「3年」という期限が刻一刻と迫ってきます。どちらのコースを選んでも、期限という魔物から逃れることはできません。

大切なのは、自分が「いつ、どこへ行くためにマイルを貯めているのか」というゴールを忘れないことです。ゴールが不明確だと、期限だけを気にして中途半端な景品に交換してしまったり、無駄な出費をしてしまったりします。コース選びはあくまで手段に過ぎません。その手段を最大限に活かすためには、ポイントがマイルに変わる仕組みと、それぞれの寿命を正しく理解し、コントロールする意識を持つことが不可欠なのです。

最適なコースを正しく選んでマイルを賢く貯めよう

「ANAカードの10マイルコースと5マイルコース、結局どっちがいいの?」という問いに対する答えは、あなたのライフスタイルと、旅に対する情熱の中に隠されています。年間60万円以上の決済があり、年に一度は空の旅を楽しみたいと考えているなら、10マイルコースはあなたの強力な味方になってくれるでしょう。一方で、維持費を最小限に抑えつつ、自分のペースでゆっくりとマイルと付き合いたいなら、5マイルコースという賢明な選択肢があります。

マイルを貯めるプロセスは、ある種の「自分への投資」に似ています。最初に数千円の手数料を払うことで、将来的に数万円、時には数十万円の価値がある航空券を手に入れるチャンスを広げる。その決断ができるかどうかは、あなたが旅という体験をどれほど大切にしているかにかかっています。5,500円という数字を単なる「出費」と捉えるか、あるいは「夢へのチケット代」と捉えるか。その視点の違いが、後の豊かな旅行体験を形作っていくのです。

もし迷っているなら、まずは1年だけ10マイルコースを試してみるのも良いかもしれません。実際にマイルが貯まっていくスピードを肌で感じることで、自分に本当に必要なコースが見えてくるはずです。万が一、決済額が伸びなかったとしても、その経験は次の1年の戦略に活かすことができます。大切なのは、悩みすぎて足を止めてしまうことではなく、今の自分に最適だと思える一歩を踏み出すことです。

ANAカードは、ただの支払い手段ではありません。あなたの日常を非日常へとつなぐ、魔法のカードです。10マイルと5マイル、それぞれの特性を理解した今、あなたはもう迷う必要はありません。自分にぴったりのコースを選んで、空の旅へと続くマイルの階段を軽やかに登っていきましょう。次の休暇、青い空の下で美味しい空気を吸っている自分を想像しながら。あなたのマイル生活が、実り多く、素晴らしいものになることを心から願っています。

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